
家の外壁の汚れが目立ってきて、汚れを落としたいと考えている人もいるでしょう。ただ、そもそも自分で汚れを落とせるのかわからない人も多いのではないでしょうか。そこで、今回はサイディング外壁の汚れを落とすための方法を解説します。さらに、落とすときのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
サイディング外壁とは
サイディングとはサイディングボードとも呼ばれており、建物の仕上げに使用する外壁材のひとつです。サイディングが使用される前は、セメントと砂を混ぜてつくったモルタルが幅広く使われていました。
そして、1964年に窯業系サイディングの生産、販売が開始されて1990年以降にはモルタルに変わってサイディングが主流の外壁材として使われるようになったのです。
従来のモルタル外壁の場合、職人によって手作業で壁が塗られていたので、職人によってクオリティの差が出やすいといったデメリットがありました。さらに手作業で行うので時間と労力がかかってしまうのもデメリットとして挙げられていました。
しかし、サイディング外壁は、外壁の下地とサイディングの間に胴縁と呼ばれる木材を設置してサイディング材と下地の間に通気層を作って張り付けていきます。下地とサイディング材の間に通気層ができることで、空気が抜けて内部結露が発生しにくくなるのが特徴です。
さらに、通気層自体が断熱材の役割を果たして、断熱効果も期待できるでしょう。通気層を作った工法により、サイディング材の寿命が延びて、今では多くの家で採用されています。
なお、一口にサイディング外壁といってもさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。たとえば、窯業サイディングはセメントや木質繊維を高温処理して作ったものであり、低価格で採用できるのが特徴です。
現在の新築戸建て住宅の約80%で採用されている外壁材であり、幅広く活用されています。また、窯業サイディングのほかに、金属サイディングや樹脂サイディング、木質サイディングなどもあります。
金属サイディングの代表的な外壁材がガルバリウム鋼板です。ガルバリウム鋼板は軽量かつ高耐久なのが特徴的で、窯業サイディングと同様に幅広く採用されています。また、樹脂サイディングはアメリカでよく使われている外壁材のひとつであり、日本ではあまり使われることはありません。
ただ、色褪せなかったり、シーリングが必要なかったりするので、注文住宅などであえて樹脂サイディングを選ぶこともあるでしょう。そのほか、木質サイディングは無垢材を使用した外壁材です。無垢材ならではのおしゃれなデザインが特徴的です。
サイディング外壁の汚れを落とし方と必要なもの
いろんな種類のサイディングがあることは理解できたものの、サイディングに付着した汚れをどうやって落とせばいいかわからない人も多いでしょう。ここでは、サイディング外壁の汚れの具体的な落とし方と洗浄するときに必要なものを解説します。
サイディング外壁を洗浄するときは、やわらかいスポンジを用意しましょう。また、洗浄しているときに水がかかってしまうことがあるので、汚れてもよい服装で掃除することが大切です。
そのほか、ホースやバケツに加え、ゴム手袋も用意しておきましょう。さらに、高所に対応したブラシがあると効率的に洗浄できます。また、外壁専用のクリーナーも準備しておくとよいでしょう。
サイディング外壁の汚れを落とすときのポイント
スポンジや作業のときに着用する服が用意できたら、外壁材に水をかけていきます。その際、高圧洗浄やスチール洗浄を使用してはいけません。というのも、強い水圧でサイディング外壁を洗浄すると、表面の塗膜が傷んでしまう可能性があるのです。
防水効果がある塗膜が傷んでしまうと、外壁にカビやコケが発生しやすくなってしまいます。また、水圧によってサイディング外壁が破損してしまうリスクもあります。そのため、サイディング外壁を洗浄するときは、水をかけながらやわらかいスポンジなどで洗いましょう。
さらに、外壁を洗うときに洗剤を使用した場合は潜在が残らないようにしっかりと洗い流すことが大切です。ただ、外壁の上のほうについては、ホースの水が届かないことがあります。
とくに、2階建て以上の建物の場合、高いところまで水がかけられないことがあるので、あらかじめ洗剤が付着しないように注意しましょう。なお、自分でサイディング外壁を洗浄する場合は、すべて手作業で行わなければなりません。
建物の外周だけでも非常に大きな面積となるので、時間と労力がかかってしまいます。また高い位置についてはそもそも洗浄することができないでしょう。そのため、サイディング外壁が汚れているときは、無理に自分で洗浄するのではなく、専門業者に相談することをおすすめします。
まとめ
サイディング外壁の汚れを放置すると、防水効果が失われてカビやコケが発生することがあります。また、そのまま放置するとサイディング外壁が劣化して雨漏りにつながりかねません。そのため、サイディング外壁の汚れを見つけたら、洗浄することが大切です。ただ、自分で洗浄するとなると、バケツやホース、洗剤やスポンジ、ブラシなどを用意しなければならず、手間がかかってしまいます。また、2階建て以上の家の場合、地上からでは上部まで届かないのできれいに洗うことができないでしょう。そのため、サイディング外壁の汚れを見つけたら、まずはプロの専門業者に相談することが大切です。