家を建ててから数年が経つと、黒ずみ・苔・カビなどの外壁の汚れが目立ち始めます。高圧洗浄機を使えば手軽に汚れを落とせますが、外壁材や塗装の状態によっては、かえってダメージを与えてしまうこともあります。場合によっては塗膜の剥がれや内部への水の侵入につながるため、注意が必要です。本記事では、高圧洗浄機での外壁の洗浄について、注意すべきポイントや掃除のコツをくわしく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
自宅の外壁に高圧洗浄機は使える?
自宅の外壁を高圧洗浄機で洗いたいと考えている方は少なくありません。とくに、新築から数年が経過した住宅は黒ずみや雨だれが目立ちやすく、通常の掃除では落としきれない場合があります。
高圧洗浄機は、水を高圧で噴射することで汚れを落とす掃除道具です。強い水圧を利用して、こびりついた汚れを効率よく洗い流せるのが大きなメリットです。
しかし、外壁は素材や塗装状態によっては、強い水圧に耐えられない可能性があるため、注意が必要です。とくに劣化が進んでいる外壁に高圧洗浄を行うと、表面の塗膜がはがれ、劣化を招く恐れがあります。
高圧洗浄機を使う際には、外壁の種類と劣化状況を正しく把握したうえで、無理のない水圧で慎重に行うことが大切です。
外壁の種類を確認しよう
まずは、ご自宅の外壁がどの素材でできているのか把握することが重要です。素材によって、洗浄できる水圧や方法は大きく異なります。
ここでは、主な4種類の外壁材について解説します。
サイディング
サイディングは、現在新築住宅で最も多く使われている外壁材です。表面は保護用の塗膜で覆われており、汚れが落としやすい反面、塗膜が劣化していると高圧洗浄で剥がれる可能性があります。塗膜が剝がれると、保護機能が低下してしまい、かえって汚れがつきやすくなったり、色褪せが早まったりするリスクが高まります。
とくに築10年以上の場合は、シーリングの隙間から内部へ水が入り込む可能性があるため、要注意です。メーカーによってはサイディングの洗浄に高圧洗浄機を使わないように注意喚起していることもあるため、適切なメンテナンスが欠かせません。
モルタル
砂とセメントを混ぜて塗り固めた外壁です。20年ほど前までは、モルタルが住宅外壁の主流とされていました。サイディングのように、シーリングで継ぎ目を埋める必要がないため、仕上がりの美しさが大きなメリットです。
強度は高いものの、ひび割れが起こりやすいため、ひびに水を強く当てると内部に水が浸入する恐れがあります。
ALC
ALCは、軽量気泡コンクリートの略称であり、高い断熱性と耐火性を持つ外壁材です。耐用年数もサイディングの約2倍と頑丈さが魅力です。
ただし、表面は塗装で保護されているため、塗膜が弱っていると高圧洗浄が裏目に出ることがあります。
タイル
耐久性の高い外壁材ですが、タイルの目地に水が入り込むと劣化が早まり、剥離の原因になります。また、経年変化により、タイルの浮きや剥がれが発生しやすいため、注意が必要です。
高圧洗浄を行う際は、目地部分に直接強い水を当てないことがポイントです。
外壁に高圧洗浄機を使うときの注意点
近年はさまざまなメーカーが手軽に利用できる家庭用高圧洗浄機を販売していますが、自宅の外壁に使う際には気をつけるべきポイントがいくつかあります。ここでは、外壁に高圧洗浄機を使う際の注意点を3つ紹介します。
ムラになりやすい
高圧洗浄機で外壁を洗浄すると、洗い方によっては洗浄ムラが生じることがあります。家庭用の高圧洗浄機は業務用と比べて水量が少なく、洗浄力が安定しません。そのため、均一に汚れを落とせず、仕上がりにムラができやすいという弱点があります。
外壁材のなかでも、とくにサイディング外壁は表面がデリケートなため、水圧の強弱やノズルを当てる角度に少しの差があるだけで、色の濃さにムラが出てしまいます。ムラが生じると、汚れが落ちた部分と落ちきれなかった部分がはっきりと分かれ、かえって見た目が悪くなります。
美観を損なわないためにも、外壁洗浄は水圧や距離を適切に調整しながら、均一な動きで作業を行うことが大切です。
高い場所の洗浄は難しい
家庭用高圧洗浄機のノズルの長さは50センチほどが一般的です。そのため、脚立なしでは、2階以上の高所には届きません。
しかし、無理に脚立やはしごに乗って作業をすると、バランスを崩して転倒するリスクがあるため、注意が必要です。高所の外壁洗浄は、適切な安全対策や作業経験が求められるため、無理に自分で行うことは避けたほうが安心です。
外壁塗膜がはがれやすい
外壁は雨や紫外線にさらされているため、築年数が経つほど塗膜が劣化していきます。劣化が進んだ塗膜は高圧の水に弱く、高圧洗浄を行うと塗装がはがれてしまうことがあります。
また、塗膜がはがれると外壁材自体が水を吸いやすくなり、内部に湿気や水分が入り込む原因になります。これにより、カビの発生や外壁材の腐食、断熱材の劣化など、さらなるトラブルを引き起こす可能性が高まります。
とくにモルタル塗装の住宅や築10年を超える住宅は、洗浄前に外壁の状態を見極めることが重要です。ひび割れや劣化が進んでいる外壁には家庭用洗浄機での清掃はおすすめできません。
外壁洗浄はプロに任せるのが安心
外壁をきれいに保つためには定期的な洗浄が必要ですが、自分で高圧洗浄機を使って作業するのはおすすめできません。
外壁は素材ごとに適切な水圧や洗浄方法が異なり、状態を見極めながら慎重に作業する必要があります。プロの外壁クリーニング業者は、外壁の劣化具合や汚れの種類を確認したうえで、最適な水圧や洗剤を選び、壁に負担をかけない方法で洗浄を行うため、安心して任せられます。
さらに、外壁の汚れの原因には雨だれや土埃だけでなく、カビ・コケ・藻などが含まれる場合もあります。これらは表面だけを洗うだけでは再発しやすく、専用洗剤やコーティング処理で根本から抑える必要があります。
外壁洗浄に特化した専門家であれば、汚れの種類に応じて最適なメンテナンスを提案してくれるため、きれいな状態を長持ちさせることができます。
まとめ
高圧洗浄機は、こびりついた汚れを短時間で落とせる便利な道具ですが、正しい使い方と手順を守ることが重要です。とくに外壁やコンクリートなどは見た目以上に繊細な部分が多く、強すぎる水圧を当てると塗膜の剥がれや内部への浸水により、劣化を早める可能性があります。また、近隣への飛散や騒音の問題もあるため、周囲への配慮も欠かせません。安全に洗浄を行うためには、ノズルの距離や角度、水圧設定を適切に調整するほか、素材に合った洗浄方法を選ぶことが大切です。不安がある場合や劣化が見られる箇所については、無理に家庭で対処せず、プロの業者に相談するのもひとつの手です。本記事が参考になれば幸いです。